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エレーヌ ユアンさん  エリック ハステルさん

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エレーヌ ユアンさん(フランス)  エリック ハステルさん(スウェーデン)
(東京大学)  


災害対策真剣に取り組むべき  震災後の人々の行動が印象的



 今回は東京大学ヨーロッパ留学生会のメンバーの方にインタビューを行った。

――自己紹介をお願いします。
 エレーヌ フランス出身です。社会基盤学科の橋梁研究室にいます。私はとにかくアジアに来てみたいという思いを持っていました。それでインターンシップで一度日本に来て、その後さらに文科省スカラーシップとして東京大学に来ることになりました。

――日本はどうですか。
 エレーヌ 身近なところでは食事や文化面でも日本は興味深いです。昔から日本のアニメをテレビで見ることはごく自然なことでしたし、日本文化にはもともと親近感があります。
 エリック スウェーデン出身で、社会基盤学科交通研究室所属です。ヨーロッパの言語とは違う言葉を学びたいと思い、日本語を勉強しはじめました。母国の大学で土木工学を勉強しながら、夜間コースで日本語を勉強しました。そうして日本語や日本文化にさらに興味が湧くようになりました。2年後には2ヶ月間だけですが、名古屋の語学学校にも通いました。交換留学制度のプログラムで修士課程の最初の1年間は世界中の大学で学ぶチャンスがありましたので、私は日本を選びました。それで現在、交換留学生として1年間東京大学に留学しています。


留学生と3・11

――震災についてお聞きしたいのですが、当時はどこにいましたか
 エレーヌ 日本にはいませんでした。
 エリック 私もです。春休みで、3月10日から15日まで韓国に旅行に行っていました。

――世界では正しい情報も、誤った情報もたくさん報道されたと思いますが、震災についてはどう感じていましたか。
 エレーヌ 母親に朝起こされて、日本で地震があったと聞きました。最初はそれほど大きな地震だとは思っていませんでしたが、時間が経つにつれて被害の大きさがどんどん分かって・・・。私はテレビの報道が全てではないと思ったので、Eメールやフェイスブックなどのインターネットを使って、日本にいる友人達を通して状況を確かめようとしました。一週間毎日、様々なサイトやツイッターを使って情報収集をしましたが、何が正確な情報かは分かりませんでした。それでも、色んな観点の情報を総合して、何が起きたのか自分なりの考えを持つようになりました。

――ご両親は日本に戻らないように説得しませんでしたか。
 エレーヌ はい。両親は日本に戻って欲しくないと言っていましたが、私は、自分が集めた多くの情報や、地図やグラフを使って、「ほら、東京は大丈夫だから。日本に戻る」と自分の考えを両親に伝え、日本に戻ってきました。
 エリック 私はその時は韓国にいたのですが、2人の兄弟から「大丈夫かどうかすぐに連絡をしてくれ」というEメールが届きました。すぐにテレビを見て、巨大な地震や津波が起きたことを知りました。その後、私宛にたくさんのEメールが来ました。大学やスウェーデン大使館からも「すぐ連絡するように」という内容でした。ヨーロッパの国の中で早く日本から避難した国はオーストリアでしたが、そのオーストリア人の友人に、「日本には行かないように」と勧められました。ですが、3月15日に韓国から日本に戻ってきました。ちょうど日本に戻ったその日に母国の大学から携帯に「日本を離れなさい」という連絡が来ました。スウェーデンの外務省も大学を通して避難するように勧めました。それで、翌16日の朝に成田空港を発ち、1カ月程スウェーデンに帰国しました。それから日本に戻れるかどうかを知るため、日本からも情報を集め比較しながら、あらゆるニュースをチェックしました。だんだんと状況が落ち着いてきて、4月24日にようやく日本に戻ってきました。もし日本に戻ることができなければ、交換留学生の制度を全うできないし、卒業も遅れてしまいます。ですから戻れてよかったです。
 エレーヌ 実は私も母国の大学でダブルディグリー制度を利用していますので、修士課程は日本で取得できるのですが、母国の大学にも籍があります。母国の大学は、日本に戻るのが不安なら、ダブルディグリーの制度を中断し、卒業を延期してもいいと提案してくれました。ただ、日本の状況をしっかり把握し続けることを条件に、その後の選択は私に任せてくれました。
 エリック スウェーデンの大学や大使館も強制はしませんでした。日本にとどまりたかったらとどまることもできる、と。
 エレーヌ フランスもそうで、中断したければ手を貸してくれると言ってくれたのですが、彼らは私が奨学生だということを知らなかったと思います。奨学生なので日本政府の許可が必要なのです。そのことを実は私も知らず、先週知ったばかりです。
 エリック 私はダブルディグリーではありませんが、ダブルディグリーの制度を利用していたら、東北大学に入学していた可能性がありました。


留学生の災害対策

――日本での留学生活に不安は感じますか。
 エリック いいえ。
 エレーヌ 大丈夫です。

――向学新聞が行った留学生へのアンケート調査で、事前に大学から震災対策について情報がなかったという声もあったのですが、震災以前に、大学から災害対策に関する支援はありましたか。
 エレーヌ はい。学期の最初に、災害に関するガイダンスがあり、ビデオの視聴や、地震時の対応の仕方、非常食についても学びました。そういったことに関してそれまで知りませんでしたが、手引きも準備してくれました。でも全ての学生に、というわけでもありませんでした。私は日本が地震が多いことは聞いていましたし、大切なことだと思い、今までに2回参加しましたが、他の多くの学生は地震時の対応のシミュレーションなどが重要だとはあまり感じていなかったように思います。しかし、今回の震災でもっと災害対策に真剣に取り組むべきだと気付いたと思います。
 エリック 私は、学科はとてもいい対策をしてくれたと思います。ガイダンスに参加すれば、いい対策ができ、私も参加したのですがとても良かったです。しかし他の学科がどうかは分かりません。社会基盤学科は良くしてくれました。


日本の魅力 留学生の視点

――今、日本で学ぶ魅力が問われています。日本で学ぶ魅力は何だと思いますか。
 エレーヌ 地震学について興味を持ったのが日本で学ぼうと思ったきっかけです。しかし、私にとって一番大事なことは母国を離れ海外で勉強し、経験を積むことです。
 エリック 毎年母国スウェーデンの大学に交換留学生として日本人留学生が来て、友達ができました。だいたい10人くらいですが、日本人と知り合い、友人ができました。それが、日本に来た理由でもあります。日本に行きたいと思いましたが、申請には大変な時間がかかりました。地震が起きた時は、「卒業を1年遅らせたくないとも思いましたし、長い時間をかけて手に入れた日本留学をあきらめたくない」という気持ちから日本に戻りました。今、日本に戻ることができて、とても嬉しく思います。日本の面白いところは新しいものと古いものがミックスされているところです。ある部分ではとても発展しているのに、あるところではとても昔ながらのところがあります。その理由の一つとして、島国だからということがあると思います。
 エレーヌ 日本はアジアの中で一番早く先進国になりましたが、韓国はもっと早い速度で成長していて、日本と似た姿になっていくと思います。

――日本での生活で何か感動したことはありますか。
 エレーヌ やっぱり震災後ですね。インターネットかテレビで知ったのですが、東北地方の高校生達が学校に行けない中、周りの人の生活を助けている姿です。国や企業ではなく、一般の人々の行動が印象的でした。
 エリック もし今回の震災が他の国で起きていたら、もっと混乱していたと思います。日本はとても速く立ち上がり、人々は協力し合い、感動しました。
 エレーヌ 震災後、2週間で道路を修復できる世界唯一の国だと思います。無駄な議論、討論をすることなく、必要とされていることを協力して行う姿に感動しました。
 エリック 福島原発で働く作業員もそうです。彼らは日本の為に働き、その姿に心が打たれます。




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