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庄 克強 さん (マレーシア出身) 
(明治学院大学) 


日本人のきめ細やかさに驚き ボルネオ島の環境問題を学ぶ

――日本に留学するようになったきっかけを教えてください。
 マレーシアでは2年間、専門学校に通っていたのですが、将来への強い希望はもてませんでした。マレーシアは多言語国家で、マレー語・英語・中国語のほかにもう1つ学びたいと思っていたところ友人に誘われて日本語を学ぼうと思いました。もちろん、先進国日本の技術を学びたいと思ったし、マハティール元首相の「ルックイースト政策」の影響もありました。

――実際日本に来ての印象はどうですか。
 電車の運行システムなど日本人のきめ細やかさに驚きました。例えば人と会う約束をした時です。マレーシア人は結構「ゆるい」というか、割とすぐに人に慣れ親しみますが、日本人は約束をするにしても、いつ・どこで・何を、というように1つ1つ細かく手順を踏みます。

――大学では、何を学んでいますか。
 国際学科に所属していますが、国際関係論というよりは文化人類学や環境学のゼミに所属しています。ある物事に対して1歩引いて多角的に見るもので、例えば原発なら、経済面から見ればどうなのか、環境面ではどうなのか、というように色々な面から冷静に分析します。

――将来の夢は何ですか。
 将来的には母国マレーシアのボルネオ島のオランウータンを保護するNPOやNGO組織で働きたいと思っています。留学前は、豊かな森やたくさんの動物が暮らしているというイメージしかなかったのですが、ゼミでボルネオ島で行われている森林伐採やプランテーションなどの影響によってオランウータンを始めとする多くの動物の棲家が奪われていることを知りました。母国の一部であるボルネオ島のために何かできないかと考え始めたことがきっかけです。そのためにも、まず自分の専門性を高め日本で5年から10年ほど就職して、社会の制度などをしっかり学んでおきたいと思っています。




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