Top向学新聞今月の人>ナ ソヒョン さん


ナ ソヒョンさん (韓国出身) 
(慶應義塾大学商学部2年) 


夢のために日本留学
情熱を注いだ学祭のダンス披露


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 韓国の熾烈な大学受験の厳しさは日本以上だとも言われている。毎年11月に実施される「大学修学能力試験」(日本のセンター試験)の結果は、志望大学への進学はもちろん将来にも多大な影響を与えている。ナ・ソヒョンさんは、「韓国では試験の点数によって自分の夢とは全く関係のない学部に進学する可能性があった。経営やマーケティングを学ぶという夢を実現するために日本留学を選択した」と話す。
 
 ナさんが国際的な環境に興味を抱くようになったのは父親の影響が大きい。韓国の大手総合家電メーカーに勤める父親が中国に駐在することになり、小学校3年生から中学2年生の終わり頃までを中国・上海で過ごした。現地のアメリカンスクールに通い、中国、韓国、日本、インドなど多様な学生に囲まれた環境で、自然と視野は広がっていった。また、父親が韓国語、中国語、英語、日本語を駆使して世界中の人と仕事をしている姿を見て憧れを抱くようになった。父親からも「娘のお前にもグローバルに活躍してほしい」と期待をかけられた。


 あらゆる留学先がある中でナさんが選んだ地は日本だった。「高校時代から日本のドラマや歌手が好きになって、独学で日本語を勉強するのが楽しかった」という。高校2年生の冬には日本留学を決意し、1年間日本留学の塾に通い見事慶応義塾大学に合格した。しかし複雑な日韓関係があるなか留学前に戸惑いがあったことも事実だ。「高校の同級生から『なぜ日本に留学するのか?』と悪口を言われたこともあったし、家族でテレビを見ているときに日韓の政治問題がニュースになると内心とても焦っていた。留学直前が葛藤のピークだった」と話す。しかし、「人生は一度しかなく、大学は最も自由な時間。日本で暮らしてみたい。それは今しかない」と思い、2014年の春、慶應大学に入学した。
 
 入学後はテニス、バンド、ダンスサークルなど興味があることに果敢にチャレンジした。「最初は友達作りに焦っていた。でも友達はやっぱり自然にできるもの。サークルで出会った日本人の友人はとても仲がよく泊まりにいったりもした」と話す。印象に残っていることは、昨年の学祭でのダンス披露。「ダンスは下手だったが、人生でこんなにも情熱を注いだことがないと言える程練習した。発表が終わった時は切なさと嬉しさがこみ上げて涙が止まらなかった」と話す。
 
 将来の夢は、「父親のようにグローバルな舞台で活躍すること」だ。テレビ番組の制作や化粧品のマーケティング、航空系の観光サービスなど挑戦してみたいことが一杯ある。まずはインターンシップなどで実際の現場を体験してみたい」と目を輝かせる。



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