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留学生座談会

Top向学新聞>留学生座談会in東京外大2016年4月号

留学生座談会in東京外大 

~日本のインバウンド~


「日本の生活体験」が魅力  
個人個人に合わせたコミュニケーションを

 日本のインバウンド市場が急成長している。2015年の外国人旅行者数は1973万人と過去最高を記録。2016年に入っても昨年を上回るペースで旅行者の数は増加中だ。しかし、世界を見ればフランスに8370万人(2014年)の旅行者が訪れその数は世界最多。アジアでは日本は中国、香港、マレーシアなどにおくれをとっている。日本の課題と広く発信すべき魅力を今回は東京外国語大学の外国人留学生の目線から語ってもらう。




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ラーソン・ベンジャミン・フィーリップさん
米国出身
<留学の目的>日本語能力の向上  
<好きな日本食>マグロの刺身


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コウ イジョさん
台湾出身
<留学の目的>台湾の大学で日本語を専攻 
<好きな日本食>ダシ入りの卵焼き


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シバタ ヤマニシ ファビオ タカシさん
ブラジル出身
<留学の目的>
日系人としてのアイデンティティーの確立 
<好きな日本食>お好み焼き


―まず皆さん日本で旅行をしましたか。

コウ)私は北海道、宮崎、関西圏全部を旅行しました。今年の1月末~2月にかけては留学生5人で話題の金沢に行きました。学生でお金がないので新幹線は使わず高速バスでの移動でした。学生にとって高速バスは本当に助かりますね。


ヤマニシ) 私は北海道、京都、大阪、広島、高知、沖縄などできるかぎり日本を見てきました。


ベンジャミン) 私は各地への旅行はもちろん、東京や千葉で生活をした経験があります。
 観光地として大人気の京都ですが、道が狭くて不便だったり、観光客が多すぎてテーマパークのようになってしまっています。個人的には奈良が一番のお勧めです。奈良は京都よりも歴史がありますし、自然も豊か。日本の本当の良さを感じられる場所です。

―通な意見ですね。旅行先で快適に過ごせましたか。


コウ) 留学生5人で金沢に旅行した際、5人とも日本語が十分ではないし、金沢の地理が全く分りませんでしたが、観光案内所の方がとても良い人でした。観光ルートの計画作りから交通手段の時刻確認まで手伝ってくれたのです。「ここ、私なりにお勧めです!」と自分の体験をもとに金沢や近隣の魅力も教えてくれました。地元の方ならではのアドバイスをもとに観光ができ、皆口を揃えて「金沢に来て本当に良かった~!」と感動しました。


ヤマニシ) 食事面で言えば、日本はほとんどハズレがないと思いました。大きな声では言えませんが、ブラジルでは高いお金を払ってもあまり美味しくない食事を提供するお店があります。日本ではコンビニ弁当でもどこでも美味しいし、サービスが悪かった店はこれまでありませんでした。日本人の仕事に対する真剣さが伝わってきました。


ベンジャミン) 逆に気遣いが過剰だなと感じることがありますね。例えばレストランで料理を注文すると、「お待たせ致しました」と料理を持ってきてくれますが「そんなに待ってないよ!」と内心ツッコミを入れています。礼儀を重んじる日本文化は理解しているのですが、それゆえに人と人との間に距離感ができて固すぎるように感じます。「日本的な礼儀正しさ」がアメリカ人にとって必ずしも丁寧だと認められるわけではありません。個人的な思いとしては「こんにちは。今日は元気ですか?」と気軽に会話を楽しめるぐらいだと居心地が良いですね。


コウ) 私の場合は服屋さんに行った時に困りました。中国語を話していたため店員の方が私を「中国人」だと思い込み中国人用のサイズ表を見せてくれたんですね。何度もそれは違うと説明したのですが、理解してもらえず服のサイズがなかなか合わず苦労しました。中国語を話していても、色々な地域から来ていることを知ってほしいです。


ベンジャミン) 日本はモノへのこだわりは素晴らしいですが、各個人に合った対応、いわゆるコミュニケーションなどのソフト面が改善されれば良いなと感じます。

―アメリカ、ブラジル、台湾の立場から見て、「日本」は旅行先としてどのようなイメージがありますか。


【2015年の訪日外国人旅行者のシェア】総数:1973万7000人


外国人旅行者グラフHP用
※日本政府観光局資料より作成


ヤマニシ) まずブラジルでは日本旅行に関する広告などがほとんどありません。チケット代が安くなれば状況も変わってくるかもしれませんが。ヨーロッパ・東南アジアは一度に数カ国旅行できるので日本よりもお得感がありますね。


ベンジャミン)そうですね。東南アジアは何より宿泊費が安い。私が数年前タイに住んでいた頃、安いホテルは10~15ドル前後でした。近隣諸国への移動も格安で、ラオスにも行きました。
 アメリカ人にとって日本は「面白そうな国」ではありますが、イメージは忍者、侍、アニメで具体的にどこを旅行すればよいかイメージが湧きません。イタリアのコロッセウムやフランスのエッフェル塔などヨーロッパはアメリカ人にとって身近でイメージしやすいですね。


コウ) 台湾からは多くの人が日本を旅行しており、むしろ日本は旅行したい国です。台湾は人口2300万人ですが、昨年日本を旅行した台湾人は368万人です。台湾人の6人に1人以上が日本を訪れている計算になります。なぜこんなにも多いのかと言えば、台湾にとって日本は憧れの国だからです。台湾で地元の人に「日本の良いところを教えて下さい」と聞けば、ほとんどの人が良いところを答えられると思います。


―日本のインバウンド市場がもっと成長するためには何が必要なのでしょうか。


コウ) 台湾人がもつ日本への好印象は歴史的な背景が大きな要因だと思いますが、一時期円安傾向になったことが日本旅行を後押しした理由の一つです。為替の問題がなければ引き続き多くの台湾人が日本を訪れるでしょう。


ベンジャミン) アメリカ人の場合、私の父親の話が参考になるかと思います。父親が私に会うためアメリカから日本に遊びに来たことがあります。父が最も楽しいと感じたのは私の知人の日本人家庭に泊まったときなのです。「美術館などの観光地より日本人の実際の生活を知ることができるのが一番楽しい」と言っていました。


ヤマニシ) それはすごく良く分かります。中学生の頃、JICAの研修で日本に1ヶ月滞在したことがあります。最も印象的だったことは、和歌山でのホームステイと中学校の体験入学です。畳の部屋で寝たり、日本の中学生と交流したり。日本の生活に直接触れたことが心に残っています。


ベンジャミン今後は「日本の生活体験」が外国人を惹きつけるかもしれませんね。

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