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トップに聞くグローバル教育の行方

Top向学新聞トップに聞くグローバル教育の行方>徳久剛史氏(千葉大学学長)

徳久剛史氏(千葉大学学長) 


グローバルな教養教育を  
日・英+1のトライリンガル育成


画像の説明

 1994年の教養部廃止から約20年。教養教育の危機に対し、千葉大学は時代に適したグローバルな教養教育を再構築する。千葉大学の徳久剛史学長にお話を伺った。




昨年文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業に採択されました。全学的なグローバル化に取り組むにあたっての目玉は何でしょうか。

 来年度から新設する国際教養学部が目玉の一つになります。なぜならば1994年に国立大学の教養部が一斉に廃止されて大学教育が専門化された結果、教養教育の危機とも言える状況になりました。今日の社会問題は分野・国境を超えて複雑化しています。時代の要請に適したグローバルな教養教育を再構築しなければいけないという雰囲気が全学的に高まり新学部の設置が決まりました。

―グローバルな教養教育とは。

 端的に「世界を知ること」と言っていいでしょう。国際教養学部では、日本文化・異文化理解、海外留学、インターンシップなどグローバル社会で活躍するために必要な素養を身に付ける科目をパッケージ化した「国際日本学」を中心に教育を行ないます。他学部でも国際日本学の科目を必修化し、全学的な国際教養教育に取り組みます。「世界を知る」という面では、国際教養学部の学生は全員が海外留学しますが、さらに10年後には千葉大学の入学定員の半分である1200人を海外留学させる予定です。また、来年度には6ターム制を導入しますので、夏季や冬季休暇期間にも学生の海外や留学生の受け入れがより円滑になるでしょう。

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 また、中国の北京・上海・浙江、インドネシア、タイ、カナダ、フィンランドの7箇所に海外オフィスがあり、これらの拠点を中心に学生の派遣・受け入れを促進しています。特にタイ最高峰のマヒドン大学とは古くから交流があり、現在バンコクのキャンパスに建設中の校舎のワンフロアーを千葉大学タイ校として利用させて頂くことになりました。本学から教員・学生を送り込むと同時に、現地学生も混ざって学習します。日本      茶室「知庵」(千葉大学広報室提供)
人学生に必要なことは、とにか
く一度は海外に行ってみること。数週間でも留学を体験すれば帰国後に、英会話など目の色を変えて勉強するようになります。


―外国人留学生の受け入れについてはいかがでしょうか。

 現在約780人の留学生が在籍しており、10年後には英語科目を700以上提供し3000人の留学生受け入れを目指します。学部段階の留学生にも教養教育をしっかり受けて頂きますが、それに加え留学生にとって重要なことは、日本語力を確実に向上させることです。本学の目標は、日本語・英語+1のトライリンガル人材を育成することで、日本人学生であれば英語の習得は当然として更にもう一言語。留学生であれば、母国語・英語に加えて日本語をしっかりと身に付けてほしいです。「世界を知る」にあたって、留学先の言語を習得することこそが国際化の証なのですから。

―教養教育の充実は欠かせませんが、それを土台に自分の進むべき道を見つけ専門性を身に付けることも重要ですよね。

 その通りです。だからこそ、「SULA(Super University Learning Administrator)」という学習・進路サポート等を行う専門スタッフを養成し、学生20人あたりにSULA1人を配置します。SULAは分かりやすく説明すると家庭教師のような存在で、知識・経験・学生に対する熱い思いを持ったスタッフが学生の夢を実現させるために、進むべき進路や身に付けるべきスキルに関して助言するのです。既に適任者が何名かおり、優秀なSULAとなる職員には教授のポストを与えて頑張ってもらっています。留学生にもよりきめ細やかなサポートができるでしょう。

―千葉大学で学んだ留学生は現在どのように活躍しているのでしょうか。

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 本学には中国・韓国・インドネシア・フィリピン・ミャンマー・ヨルダン・ガーナなど多くの国の留学生が卒業しており、母国で大学教員や国立研究所の研究員、ビジネスマンなど多様な分野で活躍しています。毎年彼らを本学に呼んで公開セミナーとして講義を行なってもらい、現役学生にとって海外の多様性や国際的な視野で学問
 千葉大学正門(千葉大学広報室提供) を学ぶことの大切さを学ぶ機会になっています。今後はスーパーグローバル大学としての目標を達成していきながら、国内外で活躍する卒業生をモデルに「千葉大ブランド」をより強化していきたいと思います。

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とくひさ たけし 1973年千葉大学医学部卒業。同年4月に千葉大学医学部第二内科入局。1975年千葉大学大学院医学研究科入学。1978年スタンフォード大学医学部留学。1983年ケルン大学附属遺伝学研究所留学。1987年に神戸大学教授。1993年から千葉大学に配置換えとなり、医学部教授、医学研究科院長・医学部長、理事等を歴任し、2014年から現職。



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