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トップに聞くグローバル教育の行方

Top向学新聞トップに聞くグローバル教育の行方>寺崎修氏(武蔵野大学学長)×佐々木瑞枝氏(武蔵野大学教授)

寺崎修氏(武蔵野大学学長)×佐々木瑞枝氏(武蔵野大学教授) 


1万7千人以上の志願者  グローバル化で際立つ個性

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 四年制大学の4割以上が定員割れを起こし、大学淘汰が始まりつつある。少子化、大学全入時代など学生が大学を選ぶ時代を迎えた中、社会のニーズに合致した大学づくりが一層求められている。今回は、近年急速に大学改革を進め評価を高めている武蔵野大学の寺崎修学長に同大学の佐々木瑞枝教授が話を伺った。


(佐々木) 武蔵野大学は創立の1924年から長らく女子単科大学でした。ですが、1998年から新学部を設置するなど改革を進めてきました。さらに2004年に男女共学、2011年に英語、中国語を使うグローバル人材育成を目的としたグローバルコミュニケーション学部の設立、2012年には日本の玄関口である羽田、成田空港に近い有明キャンパスをスタートさせました。急激な改革の背景には何があったのでしょうか。

(寺崎) 少子化時代にあって、単科大学、地方大学、女子大学は社会のニーズにこたえ得る内容を備えなければ生き残れない時代です。本学はもともと文学部しかない女子大学で、生き残りへの危機感を感じていました。教育を充実させるため、学部、大学院、研究所という三角形を揃えなければならないと思い改革を進めてきたのです。現在、政治経済学部、環境学部などの8学部をもつ総合大学になりました。薬学部は、薬剤師国家試験の合格率が全国トップクラスを誇っています。
 様々な改革の結果、 入学定員約1500名の枠に、1万7000人以上もの志願者が集まるようになり手応えを感じています。ですが、まだまだ発展途上にあり、やっと総合大学としてスタートすることができたと思っています。

(佐々木) 大学の国際化が求めれていますが、これからのグローバル教育についてはどのようにお考えですか。

(寺崎) キャンパスの国際化のため、海外大学との交流協定に力を入れています。現在中国、韓国、ベトナム、スペイン、クロアチアなどの海外20大学と協定を結び、世界13カ国から405名の留学生が学んでいます。以前は、日本の魅力として打ち出せるものは、日本語や日本文学などの限られた分野だけではないかという先入観がありました。しかし、総合大学化することで、本学の教員と海外大学の教員の交流が活発化し、グローバル化が大きく進展しました。
 例えば、中国人民大学という北京大学と並ぶ一流校が中国仏教を教えてほしいと本学の教員を名指しで依頼してきたことがあります。現在、日本における中国仏教の研究が世界一だからです。本学の創設者が国際的な仏教学者の高楠順次郎博士であり、浄土真宗本願寺の大学だという点も理由に挙げられると思います。そこで協定締結を提案したところ、中国人民大学はわずか1ヶ月半という短期間で学内手続きを全て済ませました。海外大学との迅速な協定締結には、人と人との繋がりが非常に重要だと知りました。

(佐々木) その通りですね。私のゼミからハルビン工業大学に日本語教員として着任した教え子がいますが、大変歓迎されているようです。本学に在籍する教員のネットワークもそうですが、世界に飛び出ていった卒業生を通して大学間の交流を広げることで、さらなる国際化が実現できますね。
 少子化の時代にあって、各大学の個性が求められています。ですが、今まで強みだと気付かなかった分野も、海外から見ると魅力的なものがたくさん埋もれているはずです。

(寺崎) そうですね。グローバルにネットワークを広げることで個性がより際立ちますね。そういった強みとなる分野が更に他分野を刺激して、相互発展していけばいいと願っています。

(佐々木) とても参考になりました。貴重なお時間をどうもありがとうございました。
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てらさき おさむ 慶応義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了。法学博士。専攻は日本政治史・日本政治思想史。慶応義塾大学法学部教授、同大学名誉教授を経て現職。



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