Top向学新聞日本で働く留学生OBたち>李 佳 さん


李 佳 さん (中国出身) 
(アゼリーグループ) 


努力を評価され感動  言葉よりも熱意が重要

――現在の仕事内容は何ですか。
 弊グループは「福祉・医療・教育」サービスを提供する福祉施設や専門学校や保育園・幼稚園などの運営を行っており、私は入社3年目で現在は人事を担当しています。新卒・中途の採用から、スキル研修などを行っています。また、「保育付きの学習教室」という新規事業の立ち上げにも携わっています。忙しいですが、刺激がある毎日で充実しており、何より嬉しいのは自分の成長が自分で実感できるということです。

――なぜ福祉業界で働こうと思ったのですか。
 今後、中国も高齢化社会になっていきますので、日本での経験が将来母国で役に立つと思ったからです。ですが、福祉業界は海外との関わりが多くないため、留学生を採用する会社も極めて少ないです。どうしても福祉業界で働きたかったので、諦めずたくさんの会社を回ろうと努力した結果、アゼリーグループと出会うことができました。

――働いてみた感想は。
 入社1年で初めての異動があり、デイサービスに配属されました。とても不安だったのですが、施設の利用者の方がとても親切に接してくれました。「すぐ慣れるから大丈夫だよ」、「みんな優しいから何かあったら言ってね」と逆に気を使っていただき元気をもらいました。たまに、「疲れている顔をしているから、早く帰るんだよ」と声をかけていただくなど、本当に自分のおじいちゃん、おばあちゃんのようです。現在はデイサービスの業務からは離れていますが、施設に行くと、自分の顔を覚えていてくれてとても嬉しいです。
 他には、今年のグループ内定式の企画から運営まで担当させていただいたことが印象に残っています。午前中は内定式で、午後からは研修を行いました。社会人としてのマナー講座や現場技術を学ぶ研修もありましたが、銀座でファッション関係の店舗視察や、高級な料理店で食事を摂ったりしました。介護・保育とは直接関係ないのではと思われるかもしれませんが、介護・保育もサービス業であることを内定者に理解してほしかったのです。施設・園の利用者の方も一人一人価値観が違いますし、利用料金を払ってくださっています。様々なサービスを体験することで、価格の価値はどこにあるのかを考え、今後の業務に活かしてほしいと思います。研修を成功させるため、何度も銀座に下見に行くなど三カ月かけて準備をしました。前日は不安で眠ることができませんでしたが、当日は問題なく無事成功しました。最後に理事長が激励やアドバイスの声をかけてくださり、努力を評価していただき感動して涙が出そうになりました。

――留学生へ就職活動のアドバイスはありますか。
 現在人事を担当している立場から感じることは、その企業で働きたいという気持ちがないまま面接に行かない方がいいということです。面接を受ける企業のことを何も知らずに来る方もいますが、そういった気持ちは、人事担当にすぐ伝わります。「ここで働きたい」と思う会社があれば、企業研究などの対策をして面接を受け、気持ちをしっかり伝えてほしいです。留学生の場合、文法の間違いや緊張することは当たり前なので、全く気にしていません。それ以上に、本気であるという意思が伝われば、こちらも何とかしてあげたいと思うのです。私も就職活動をしていた時、面接では震えるくらい緊張して、話すことができないほどでした。ですが、ぜひ福祉業界で働きたいという思いで、ゼミの先生にも手伝っていただきましたし、一人で鏡を見ながら面接の練習を繰り返したりもしました。そのおかげもあり、弊グループの面接では、自分の思いを伝えることができました。言葉はあくまでもコミュニケーションの手段です。やはり言葉よりも熱意が重要なのです。



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