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向学新聞2022年4月号記事より>

留学生新規入国受け入れ再開

留学生円滑入国スキーム

3月1日から、水際対策による入国制限がようやく緩和された。同14日からは日本への入国を待っていた留学生たちが着実に入国できるように、「留学生円滑入国スキーム」が運用開始された。

留学生円滑入国スキーム概要・注意点等
・月~木曜の飛行機の空席を活用
・一般枠で飛行機のチケットが取れない場合に 活用する
・受け入れ機関が留学生の需要を把握し、サポートセンターを通じてチケットを取る
・申請は留学生本人や、受け入れ機関からの委託事業者はできない
・航空会社によって取得方法が一部異なる
・入国手続きがスムーズにするためファストトラック、VisitJapanWebの着実な活用周知徹底

 同スキームは、外国人留学生の受入れを優先的かつ着実に実施することを目的に、文部科学省、出入国在留管理庁及び国土交通省との共同で、航空会社の協力も得ながら実施する。月~木曜の便の空席を活用し1日7000名の入国人数の上限とは別枠で、留学生については上乗せして1000名ほど入国できるようになる。

 運用開始に先立ち、3月10日、関係団体向けにオンライン説明会が実施された。今後の見通しについて、文科省の担当者は、「在留資格認定証明書(COE)を持っていて早期に入国を希望しながら待機している留学生が11万人。同スキームも使って、1週間に1万人程度、10週間で10万人ほど入国できるという見通しだが、あくまで推定値。また、4月の新規入学者は7万人ほどいると見込んでおり、待機留学生と合わせて18万人規模だと推定すると、5月末までに全員入国してほしい気持ちではあるが、厳しいように感じる。総理の段階的にさらに人の往来を回復させるという話もあるので、今後変わってくる可能性もある。」と述べた。

現場の声
 日本留学の扉を開く会代表のデイヴィッド・ロッシ氏は、「待機していた留学生たちは、ようやく国境が開かれることを喜んでいるが、日本政府がまた以前のように、(コロナの状況によって)国境を閉鎖するのではないかという不安は常に持っている。欧米からの留学生たちは航空券をとりやすいので、このスキームを使っていない。
 学校現場は嬉しい半面、受付済証の準備、入国・検疫の対応、授業の準備などすでに多忙を極めている。同時に入国することができないので非常に難しい。
 この2年間で日本のイメージと評判は損なわれた部分がある。再び軌道に乗せるためには、コミュニケ―ションの努力が必要。まずは、水際対策において公平な基準を設けて、1日の入国人数の上限を更に増やすべき」と話す。

 日本語教育機関関係6団体で活動をしてきた、与野学院日本語学校校長の谷一郎氏は、「まだ査証を取得できている学生が少ないので、このスキームを利用しなくても航空券が取得できているケースが多い。航空券をとる前段階の、在外公館での査証申請が、場所によっては滞っているようだ」と話す。
 また、同6団体は、コロナ禍下の約2年、留学生の入国問題について、数回にわたって要望書を政府や関係省庁に提出するなど積極的な活動を行ってきた。その活動を通して、「国会議員や省庁関係者に、日本語学校の実態や社会の中での位置づけ・役割などをより正確に認識してもらえるようになり、行政側の理解が深まったと感じる」と話す。

 長引く入国制限の影響で、大学によっては留学生別科の学生募集を停止したり、別科自体を廃止したところもある。経営難から離職に追い込まれた日本語学校職員も多い。日本の入国制限について、国内外からの批判も多かった。しかし、受け入れが再開された今、この間に進んだオンラインの活用や、日本語教育機関の連携、行政の理解などを糧にしながら、留学交流のよりスムーズな再開が期待される。日本留学をあきらめずに待っていた留学生たちが、「日本に留学して良かった」と思える、充実した教育内容、多文化共生社会を目指す日本社会の、更なる理解の深化と環境整備が求められる。



<参考・出典>
・留学生円滑入国スキーム<外部リンク/文科省>

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