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向学新聞2022年4月号目次>日本で働く元留学生たち TERENCE TRUMPHさん

向学新聞2022年4月1日号記事より>

日系企業で働くグローバル人材
TERENCE TRUMPHさん
アルプスアルパイン株式会社

失敗を恐れない、正面から向き合う

―就職と来日のきっかけを教えてください。
 私はアメリカの大学で日本語を勉強しました。ですから、卒業後は日本で働く機会を探していました。学内のジョブフェアにアルプスアルパインが参加していて、「ここの企業にしよう!」と思い、応募しました。

―就職して、初めて日本に来て困ったことはありましたか。
 アメリカの大学では、ビジネスレベルのコースで日本語を学んでいましたが、授業のレベルはあまり高くなかったので、日本に来てから日本語で困ることがよくありました。日本語は難しいですよね。特にカタカナは本当に難しいです。
 会話では、例えばお店に行って「お持ち帰りですか、店内でお召し上がりですか?」と聞かれますが、「店内」という単語は習ったことも聞いたこともなかったので、まったく理解できませんでした。「店の中で食べますか」と言ってくれるとわかるのですが。

TERENCE TRUMPHさん
アメリカミシガン州出身、2019年11月来日、入社。

―現在はどのようなお仕事を担当しているのですか。
 現在は、人事部の採用課に所属しています。私は主に、英語での会社説明会を担当していますが、他に日本語での説明会のサポートや、応募者のファイルの管理など、採用全般の業務に携わっています。

 日本語が難しくて大変だと感じることもありますが、プランニングして、チームで作り上げていくことはやりがいを感じます。特に僕は「テレンスさん助けて」と頼られると、とてもやる気が出ます。必要とされると、やりがいを感じますね。
 
 また、日本企業の魅力として、経験が全くない新卒を採用して育てる方針があります。新人が失敗してもそれで罰則を科せられることもなく、次は頑張ろうとサポートしてもらえます。アメリカでは、社員として採用されるには、学位だけではだめで経験が必要です。

―テレンスさんの入社のきっかけにもなった「IAP制度」について教えてください。
 International Associates Programというプログラムです。主に設計・開発分野で力を発揮できる方であれば、日本語能力は問わず採用するというプログラムです。まずは契約社員ですが、報酬はほぼ正社員と同じで、正社員登用ももちろんあります。

 日本語があまり得意ではないメンバー達なので、プログラムの中に日本語学習が組み込まれています。働きながら日本語が上達できる機会が与えられているのはありがたいです。英語が話せるリーダーがいるため、困ったときは相談できるので安心して働くことができます。また、アルプスアルパインは、海外のいろいろな国・地域に拠点があるので、次のステップとして拠点がある国(母国や第三国)で経験を積むという選択肢があることも魅力です。

―英語で授業を受けて学位をとった留学生達が、日本語がハードルとなって、卒業後日本で就職したくても就職できないケースが多いです。そのような留学生にも機会を提供できる、画期的なプログラムですね。

―今後の目標を教えてください。
 日本語レベルを上げて、日本語能力試験のN2合格を目指したいです。また、アメリカに戻ってアメリカの拠点で働きながら、出張で日本と行き来できたら理想的だと感じます。

―日本語を学びながら、日本での就職を目指す留学生たちに、アドバイスをお願いします。
 失敗を恐れないでほしいです。一度失敗しても、そこから学んだことを次に活かすことができます。また、素直になれなくて分からないことを質問できない人がいますが、それでは仕事が進まないので本人にとっても会社にとっても良くないです。困っていることや分からないことは素直に聞いたり相談するようにしてください。
 また、ネットワーキングも大事です。一人でできることは限りがありますが、必要に応じて協力してもらえる人を持っておくことが大事です。就職活動は、笑顔で、正面から向き合ってトライしてください。


<参考>アルプスアルパイン IAP制度(外部リンク/アルプスアルパインウェブサイト)

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