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就活なんでも相談室

第2回「企業のニーズと留学生の仕事選び」

井上氏
株式会社ASIA Link 
マネージャー 井上 洋輔 氏
就職活動について、留学生からよく聞かれる質問についてお答え致します。

〈相談内容〉
外国人の強みである、語学力を活かして就職したいのですが、どのような仕事を選べば良いですか?

 留学生と面談をしていると、「母国との架け橋になりたい」「語学力を活かして仕事をしたい」という希望をよく聞きます。確かに、留学生の強みは日本語ができて、その上母国語や英語もできることですので、その考え方はとても良いと思います。しかし、その考え方だけではなかなか内定が取れず、就職先が決まらない学生が多くいます。なぜ就活がうまく進まないのか、今日はその理由をお伝えしたいと思います。



語学を活かして何をやりたいかが重要

 母国語や英語ができることは、就職活動をする時には大きな強みとなりますが、あくまで語学力は強みの1つです。それ以上に「語学力を使って何をしたいのか」が重要です。例えば、メーカーであれば新商品を開発し、それを安定的に生産し、宣伝をして認知度を高め、顧客が購入することで収入を得ます。そのビジネスの流れの中には、設計開発や材料調達、品質管理、広報、営業、総務、財務などの企業の主要な業務があります。これらの業務が日本国内だけでなく、海外でも展開される時に初めて語学力が必要となります。ですから、語学力を活かしたいと考えている留学生は「語学力を活かしてどの仕事にチャレンジしたいのか」を必ず考える必要があります。この視点が欠けている、または弱い留学生が多く、エントリーしても書類選考や一次面接で不合格になってしまうのです。

企業の採用ニーズから語学力を活かせる仕事を考えよう

企業の採用ニーズ

 上記の3つのケースを具体的な職種に当てはめてみると、次のような職種が考えられます。
 
 1のケースは、海外にマーケットを広げる営業やマーケティング、サプライヤーと交渉する調達、製品を輸出入する貿易・物流業務などが挙げられます。どれも語学力だけでなく、ビジネスに関する知識や交渉力などが求められます。
 
 2のケースは、会社のビジネスや技術を日本で働きながら身につけ、将来の現地拠点の幹部としての採用です。販売拠点の場合は営業やマーケティング、生産拠点の場合はエンジニアのリーダーや工場の管理者としての役割が期待されます。営業やエンジニアとしての技術の他に、将来のリーダーとして成長していきたいという意欲が求められます。 
 
 3の場合は、外国人観光客や日本に住む外国人対応の接客やサービス、お客さんを誘致する企画や広告、海外ネットユーザーに対するECサイトの管理・運営、海外から来る顧客への営業対応などが挙げられます。日本人には分からない文化や習慣を理解し柔軟に接客する力や情報発信力が求められます。
 
 語学力を活かして働きたいと考えている留学生のみなさんは、これらの仕事の中でどんなことにチャレンジしたいでしょうか。どの仕事にも共通して言えることは、「求められているのは語学力だけではない」ということです。企業へエントリーする際には、採用ニーズと主要な業務に求められる知識やスキルをよく調べた上で、「自分の強みを活かせるのはどの仕事か。どの仕事にチャレンジしたいか」をよく考えて、企業へエントリーしてください。きっと企業からの評価が変わるはずです。
 次回は「自己分析、業界・企業研究」についてお話します。お楽しみに!



・第1回「日本企業の採用の特徴」
・第2回「企業のニーズと留学生の仕事選び」
・第3回「自己分析と業界・企業研究」

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